桂冠名誉指揮者 飯守泰次郎が、第30回(2022年度)公益信託渡邉曉雄音楽基金 特別賞を受賞いたしました。
「公益信託渡邉曉雄音楽基金」は、日本指揮界の重鎮、故・渡邉曉雄氏が日本の音楽文化に残した多大なる業績を積極的な形で引き継ぎ、日本の音楽界の発展に寄与することを願い1992年6月22日に設定されたもので、「特別賞」はオーケストラ界に貢献した功労者に贈られるものです。
【受賞理由】
飯守泰次郎氏はこれまで名古屋フィル、東京シティ・フィル、関西フィルの常任指揮者や、新国立劇場オペラ部門芸術監督などを歴任、現在は仙台フィルの常任指揮者に在任中であり、そのほか国内各楽団への客演も数多いことは改めて言うまでもない。
そして、飯守氏の長年にわたる国内における音楽活動の中でも、オペラ——特にワーグナーの舞台作品の上演に於ける業績の大きさは、はかり知れぬものがある。たとえば長大な「ニーベルングの指環」4部作の全曲上演を新国立劇場での舞台上演と、東京シティ・フィルのセミ・ステージ形式上演で指揮、また日本人による国内初上演の「ワルキューレ」をはじめ各作品の上演においても数多く指揮を執っている。特に大作「パルジファル」を、関西二期会、東京シティ・フィル、東京二期会、新国立劇場の4つもの上演で指揮し大成功を収めるという偉業を成し遂げたのは、国内では飯守氏のみである。
日本のワーグナー上演史に不滅の業績を重ねつつあることも含め、オーケストラ界における飯守泰次郎氏の多大な功績を讃えるため、ここに公益信託渡邉曉雄音楽基金「特別賞」を贈呈する。
2022.12.14 お知らせ